連載 看護師の働き方を経済学から読み解く・8
労働市場の二重構造が格差を生む
角田 由佳
1
1前 国立社会保障・人口問題研究所
pp.892-897
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901548
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前回は,看護師の賃金格差について人的資本論の観点から,つまり教育やトレーニングによって養成される技能の差異から検討した。そこでは,病院の特性別に見出される看護師の賃金格差が,本人への学校教育費用や職場の研修費用の多寡から想定される,技能の蓄積の差によって説明できないことを明らかにした。では,看護師の賃金格差は何が原因となって発生するのだろうか。
今回と次回の2回にわたり,看護師の賃金格差を生み出す要因,さらにはその賃金決定メカニズムについて,一般の労働者の賃金格差を説明する労働市場の「二重構造論」から検証する。
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