連載 看護の裁判例を読みなおす・4
高齢者ベッド転落事件【その1】
宮崎 歌代子
1
,
小西 知世
2
,
平林 勝政
3
1東京医科大学病院看護部
2明治大学大学院法学研究科博士後期課程
3國學院大學法学部
pp.556-560
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901459
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事案の概要
何が起こったか
患者A(女性,当時78歳)は,1990(平成2)年7月11日,被告Y病院循環器科において診察を受け,当時Y病院に勤務していた同科担当の訴外F医師(入院後Aの主治医となる)から「心筋梗塞の疑いが強い。絶対安静」と言われ,同日Y病院に入院した。
3日後の14日頃,F医師は,Aの長男X(原告)に,「Aは心筋梗塞ではないと思う。ポータブルトイレを使用できる」との内容を中心とする病状説明をしたところ,XはAの付添いを希望したため,これを許可した。なお,XはAの運動機能低下をおそれ,F医師にAを寝たきりにしないでほしい旨申し出ていた。
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