連載 事例で学ぶ看護管理―組織行動学的視点の活用・4
病棟におけるナースの役割と動機づけ
稲田 三津子
1
,
池田 美里
2
,
酒井 詠美
2
,
川崎 彰子
2
1日本赤十字看護大学
2日本赤十字看護大学大学院看護学研究科修士課程
pp.562-565
発行日 2001年7月10日
Published Date 2001/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901461
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
何か行動を起こす場合に,動機づけ(motivation)の重要性を強調するたとえとして,「馬を岸辺に連れていくことはできるが,水を飲ませることはできない」という比喩が用いられることがある。すなわち,何か行動を起こすためには,生理的あるいは心理的に不足している状態が不可欠であり,その欲求(need)を満たそうとする緊張が駆動力となって,行動が引き起こされるのである。したがって,個人の行動を理解し,予測し,統制するためには,動機づけについて学習することは,重要と言えよう。
今回の目的は,病棟内で日常的に分担されているナースの役割(係)に関連する行動を,動機づけ理論の1つである目標設定理論を応用した「目標による管理」の視点から分析することにより,結果として,看護職者の達成感や満足感を高めるための手掛かりを得ることにつながると理解することにある。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.