特別記事
済生会熊本病院における人事制度改革―「病院は非営利組織」という観点から
甲斐 聖人
1
1済生会熊本病院・人事課
pp.868-873
発行日 2001年11月10日
Published Date 2001/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901330
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「働きがいのある職場作り」を目指す
済生会熊本病院が,現在の場所に新築移転したのは1995年4月のことである。当時を振り返ると,約150億円を投じて新しい病院を建てたのはいいが,「この先一体どうなるのだろうか」といった不安を,職員の誰もが感じていたのではないだろうか。病院の理念は以前からあったものの,病院の方向性や具体的な計画は必ずしも明らかではなく,ましてや人事制度については公務員給与に準じた代わり映えしない年功序列賃金で,病院全体の教育はほとんど何もなかった。
一般社会では,すでに入事制度において何十年もの独自の歴史をもつ企業が多数存在する。それがなぜ,病院には人事システムやマネジメントの概念が普及しないのか。当時,そのような病院の弱みを常々感じていた。
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