焦点 人材育成につなげるこれからの評価制度
コンピテンシーを取り入れた人事評価制度―済生会熊本病院の人材マネジメント
甲斐 聖人
1
1済生会熊本病院人事課
pp.537-542
発行日 2002年7月10日
Published Date 2002/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901669
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
コンピテンシーとは何か
「コンピテンシー」という言葉は,これまで医療業界ではほとんど耳にすることはなかったものの,企業向けの人事関係のセミナーや雑誌では,最近,よく取り上げられるようになってきた。アメリカでは1990年代半ばから注目され始め,日本においてもすでに人事制度の1つとして導入している大手企業も数多く見受けられる。
英語ではcompetency,直訳すると「能力」「有能さ」という意味であるが,コンサルタント業界,企業の人事担当者の間では,「行動特性」「発揮能力」などの表現がされている。どのようなことかと言えば,「知識,技術などの潜在的な能力ではなく,その潜在的な能力を駆使し,組織の成果を生み出すために,他者からも観察し得る行動として安定的に発揮される能力」ということである。一言で言えば,「成果に結びつく発揮能力」となる。つまり,どんなに知識があろうと,経験があろうと,頭脳明晰であろうと,行動により安定的に能力が発揮され,組織の成果に結びつかなければ意味がないことになる。
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.