連載 エイズ対策を評価する・8
NPOと営利企業の非営利活動(下)
岩室 紳也
1
,
池上 千寿子
2
,
稲垣 智一
3
,
伊藤 聡子
4
,
上野 泰弘
3
1(社)地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター
2NPO法人ぷれいす東京
3東京都福祉保健局健康安全室感染症対策課
4(財)日本国際交流センター
pp.629-634
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401100627
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当事者のニーズに応える活動
岩室 当事者参加でどのような変化が生まれましたか.
池上 私たちが最初に当事者参加で行った研究が陽性告知です.それまでは,告知をする側が「こういう告知をしています」,という研究だけだった.「告知を受けた側は一体告知をどう受け取ったのだろう」という研究はなかったんです.HIV陽性の人に研究班に入ってもらって,質問紙を作成しました.「どういう言葉で書いてあったら答えやすく正直に回答できるか」,「何で年収,学歴が必要なんだろうね」,などといろいろ語りながら.調査に参加してくれた陽性の方々が言っていたのは,「学会間近になると主治医の先生から,質問紙に『答えてくれ』と頼まれる.でもその結果,この調査結果が自分にどう返ってくるのか全くわかりません.先生は学会に行っちゃって休診なんですよ(笑).ああいうのはもうたくさん」と.
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