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特集 胸郭出口症候群
胸郭出口症候群の歴史的背景と分類
Thoracic outlet syndrome;historic background and classification
井手 淳二
1
Junji IDE
1
1東病院 スポーツ医学センター
キーワード:
Thoracic outlet syndrome
,
Historic background
,
Classification
Keyword:
Thoracic outlet syndrome
,
Historic background
,
Classification
pp.105-109
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000765
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要旨:胸郭出口症候群(TOS)の歴史的背景として,頚肋症候群・前斜角筋症候群・肋鎖症候群・小胸筋症候群を包括し,腕神経叢・鎖骨下動静脈の圧迫や伸張によって生じる病態が提唱されたが,外科においては胸郭出口圧迫症候群としてのみ検討されてきた。TOSは,① 神経性,② 動脈性,③ 静脈性に分類されるが,② と ③ の血管性TOS(鎖骨下動脈閉塞,鎖骨下静脈塞栓)はまれな古典的疾患である。神経性TOSは,上肢挙上位で症状の再現・増強をきたす腕神経叢圧迫型と上肢下垂時に症状の再現・増強がみられる腕神経叢牽引型に分類される。TOSには腕神経叢の圧迫と牽引という異なる病態が混在するため,これらを区別して診断し治療することが肝要である。また,TOSは外傷性と非外傷性に分類される。外傷性には鞭打ち損傷のような一撃性のものと投球動作のように小外傷が繰り返されることによるものがある。
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