Japanese
English
特集 喫煙の呼吸器・循環器に及ぼす影響―エビデンスに基づいて
喫煙と肺癌
Cigarette Smoking and Lung Cancer
工藤 新三
1
Shinzoh Kudoh
1
1大阪市立大学医学部呼吸器内科
1Department of Respiratory Medicine, Osaka City University Medical School
pp.989-995
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101341
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はじめに
現在,日本では年間111万人が死亡し,そのうち癌死は34万人で肺癌による死亡は6.6万人である1,2).癌死のなかで肺癌による死亡は第1位となって久しい.一方喫煙については,本稿で述べるように多くの疫学的,実験的研究の積み重ねがあり,肺癌と喫煙の因果関係は明らかである.肺癌は様々な治療法が研究され実践されているものの,今なお5人に1人しか救えない難治癌である2).肺癌を減らす最も有効な方法が禁煙であることに異論はないと思われる.医学関係の学会では,すでに禁煙のキャンペーンがホームページを通じて盛んに行われているが,先進国のなかでは日本の喫煙率はまだまだ高い.われわれは医学の専門家として冷静にエビデンスを示し日本における禁煙の推進に貢献し,肺癌を減らしたいと思う.
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