連載 Will & Voice・2
すべての喫煙者に伝えるべきこと
清水 隆裕
1
1敬愛会ちばなクリニック健康管理センター
pp.138-139
発行日 2012年2月10日
Published Date 2012/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102344
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喫煙者は「インフォーム」されているか
医療現場に「インフォームド・コンセント」の考え方が浸透して久しい。本邦では一般に医療現場に限られて使用される概念のようだが,原語においてはあらゆる法的契約に適用される概念で,行為の目的や内容についてよく説明を受け十分理解したうえで(informed),対象者が自らの意思にもとづいて合意する(consent)ことであり,拒否することも含まれる。日本で販売されているタバコには「たばこ事業法」およびその関連法により定められているとおりの注意表示※がある。しかしたばこ事業法の目的は「たばこ産業の健全な発展を図り」とされており,その存在自体が矛盾を内包している。本稿は,看護師をはじめとする医療従事者が,喫煙による影響を対象者(多くの場合は患者であろう)に十分理解させ,自らの意思で喫煙継続の有無を選択できるだけの情報提供ができるようになることを目的とする。
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