特集 喫煙問題
喫煙と火災
塚本 孝一
1
1日本大学工学部防災工学
pp.794-797
発行日 1979年11月15日
Published Date 1979/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205966
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■はじめに
毎年,火災の原因の第1位はタバコであると宣伝されてきた.「全国火災統計」をみると確かにそのとおりで,10年以上もこれが続いている.この火災には家屋,車両,林野などといろいろな種類がある.その被災の程度も,家屋でいえば,幾棟かの家屋が焼失する場合,1棟が全焼・半焼する場合,またごく一部分が焼けただけというボヤ火災の場合とさまざまである.それに死傷事故を伴う場合もある.こういうわけで,タバコは出火件数が多いというだけでは,その火災危険の大小を示すものとは限らない.
そこで東京における状況をみると,昭和51年度まではタバコがが第1位であったが,52年以降はこれが放火に代わってしまった.それでもタバコは全体の19%余を占めているが,このところやや減少の傾向がみられる.
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