連載 看護管理者の眼・4
少しばかりの心のゆとりを
田中 由紀子
1
1横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター
pp.335
発行日 2000年4月10日
Published Date 2000/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901193
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看護管理者は毎日解決を迫られる事柄が多く,また,目一杯仕事を抱えこみがちで,忙しいことが常態になってしまいます。残った仕事を家で少しでもかたづけようと,資料を袋に詰め込んで持ち帰っても,結局家では何もせず,重い荷物をそのまま職場に持って出勤するということもよくあるのではないでしょうか。荷物が一往復しただけで何も成果が得られない,こうなると荷物が重いだけでなく心も重くなってきます。この現状を何とかしなくてはと思いながら,次の日もまた同じことを繰り返し,自分の思いと現状のギャップにジレンマを感じながら日々を過ごしてはいないでしょうか。
しかし本来,看護管理者にとって一番力を発揮するべきところは,突発的な事態にどれだけ適切に対応できるかだと思います。そのために,日々少しばかりの余裕を持っておくことは重要です。これがあるかないかによって,突然難しい問題が飛び込んできた時に「やっかいなものが来た」と思うのか,あるいは「さてどのように解決しようか」と考えるのか,取り組む姿勢が変わってくるのです。
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