特集 患者にとっての退院を考える
転院援助困難事例から退院を考える―大学病院ソーシャルワーカーの立場から
取出 涼子
1
1神奈川県大学病院ソーシャルワーカー連絡会
pp.263-269
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900984
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「退院援助」とソーシャルワーク援助業務としての退院援助
厚生省から出されている「医療ソーシャルワーカー業務指針」(1989年)では,病院で働くソーシャルワーカーの業務として「退院(社会復帰)援助」をあげ,「生活と傷病や障害の状況から退院・退所に伴い生ずる経済的,心理的・社会的問題の予防や早期の対応を行なうため,これらの諸問題を予測し,相談に応じ,次のような解決,調整に必要な援助を行なう」として6つの援助項目を示している.その中には,・転院のための医療機関,退院・退所後の社会復帰施設の選定を援助すること.・在宅ケア諸サービスについての情報を整備し,関係機関,関係職種等との連携のもとに退院・退所する患者の生活と傷病や障害の状況に応じたサービスの活用を援助すること.・転院,在宅医療等に伴う患者,家族の不安等の問題の解決を援助すること.・関係機関,関係職種との連携や訪問活動により,社会復帰が円滑に進むように転院,退院後の心理的・社会的問題の解決を援助すること.などがあげられている.
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