特集 患者にとっての退院を考える
早期退院促進の中で適切な医療を提供するには
石田 昌宏
1
1日本看護協会政策企画室
pp.270-274
発行日 1999年4月10日
Published Date 1999/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900985
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早期退院促進から生じる注意点
早期退院へ向けた取り組みが盛んになっている.この傾向は,政策の視点から見てまだしばらくは続くと考えられる.というのは,早期退院を促進する政策は何も最近始まったのではなく,「社会的入院」や「外来のサロン化」という言葉に象徴されるような国民皆保険のマイナス面として生じている,「医療以外の要素を医療体制が担ってきていること」を是正するために進められているからである.
つまり,医療提供体制の根本的な歪みの是正が早期退院推進政策として現われているのだ.最近とみに早期退院について議論されるのは,財政の悪化により医療提供体制が治療以外の要素を包含する余裕がなくなり,是正政策のスピードが速くなったからである.
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