病院管理の現場から 看護最前線
Y氏の転院
小田島 多美子
1
Tamiko ODAJIMA
1
1NTT札幌逓信病院
pp.867
発行日 1989年8月1日
Published Date 1989/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209662
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Y氏が今日,紋別町の病院へ転院された.紋別町で郵便配達をしていたY氏は,昭和43年2月,雪のくぼみに郵便車の車輪をとられ,その引上げ作業中,突然,腰から右下肢にかけて放散痛が走り,同町の病院へ救急入院した.診断は腰椎捻挫と右根性神経痛で,Y氏が45歳のときだった.その年の10月,Y氏は美唄市の病院へ転院,翌年,札幌の大学病院で腰椎ヘルニアと診断され,個人病院で髄核摘出術を受けた.
昭和44年7月,術後のリハビリテーションの目的で,Y氏は登別の病院へ転院した.やがて訓練の成果が実って,つかまり立ちができるようになり,2年後には杖歩行で外泊し,短い距離であれば杖を使わないで歩けるまでに回復した.ところが,昭和48年頃から不定愁訴が多くなり,リハビリテーションにも消極的になり,車椅子の生活に戻ってしまった.主治医は,手術後5年経過し,機能的には問題がないとして何度も自宅療養をすすめたが受け入れず,退院には至らなかった.
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