特集 エクストリーム困難事例への挑戦
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退院困難事例への支援のポイント
宇都宮 宏子
1
1京都大学医学部附属病院地域ネットワーク医療部
キーワード:
退院支援
,
退院調整
,
退院調整看護師
,
生活の場
Keyword:
退院支援
,
退院調整
,
退院調整看護師
,
生活の場
pp.738-741
発行日 2011年9月15日
Published Date 2011/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102288
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筆者は在宅医療の現場から,「入院医療から生活の場への移行支援」を専門的に看護師が関わる必要性を感じて,急性期病院,大学病院に戻ってきた.
9年間の取り組みのなかで,患者が病気とともにどう生きていくか――医療の限界を受け止め,治らない現実とどう向き合って生きていくか,また病気ではなく老いにより受け入れざるを得ない障害を患者・家族が理解・受け止めて,さらにどこでどう暮らし最期の時をどう迎えるかなどに,医療者が適時に・適切に関わることで人は強く生き切ることができると再確認している毎日である.
「退院困難患者」は,医療者にとっては非常にイメージの悪い言葉である,しかしなぜ帰れないのか? 生活の場に帰れる医療提供を,看護ケアをわれわれ医療者は,考えて,患者に向き合ってきただろうか? 医療機関において,院内全体の取り組みとして退院支援のシステム構築をすることが,高齢化・多死時代を迎える日本の医療現場に求められている.
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