特別連載 老人に対する看護技術研究
2.訪問看護サービスの整備課題―訪問看護技術教育と医師との連携
牛久保 美津子
1
,
川村 佐和子
1
,
数間 恵子
1
,
小泉 恵
1
,
諏訪 さゆり
1
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
pp.492-499
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900514
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緒言
訪問看護は,1983年の老人保健法の制定を契機として急速に拡大してきている.訪問看護の対象枠は,1992年には高齢者に加えて難病疾患やがん患者,精神障害者まで拡充された.また1988年には社会保険診療報酬の中に在宅療養指導管理料が新設され,それ以降それらの点数は年々アップしてきている.このことより,訪問看護の内容は脳卒中患者を中心とした日常生活援助から医療依存度の高い患者への対応も必要とされるなど,質的に大きく変化してきている.このようなわずか数年間における訪問看護ニーズの激動的変化に対応できるよう,訪問看護の整備は急務である.
看護基礎教育においては,1997(平成9)年度にカリキュラム改正が行なわれる予定であり,在宅ケアに関する科目が加わることになるという.その教育内容を検討するためには,現在の訪問看護実務者の実態を把握することが重要である.また,訪問看護は医師が常在しないために,特に医療依存度の高い患者に対する場合は,医師との緊密な連携を図ることが必須である.
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