- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
株式会社シダーは民間の介護事業者であるが,現在,在宅部門として5つの訪問看護ステーション,デイサービスセンター,ヘルパーステーション,居宅介護支援事業所を有しており,約600名の利用者に,訪問看護および訪問リハビリテーションサービスを提供している。
最近のリハビリテーション医療の変化により,急性期病院や回復期病棟に入っている患者さんの在院日数が短縮される傾向にあり,病院・施設から地域へ,在宅へというケアの流れが強くなっている。そうした流れのなかで,地域・在宅で生活することになった利用者・家族の看護・介護・リハビリテーションサービスに対するニーズはますます高まっている。私たちはそうした利用者の「住み慣れた場所で自分らしく生きたい」という切実な声に応えるべく,在宅部門間の連携を強化し,さまざまな試みをしながら日々活動しているのが現状である。
今回は,当社内の訪問看護ステーションとしては,一番規模が大きい小文字訪問看護ステーションにおける訪問看護とリハビリテーションの連携について述べたい。
当社の訪問看護ステーションにおける訪問リハビリテーションの歴史は古く,介護保険の導入のかなり前から組織的に行なわれている。グループの方針である,早期リハビリテーションの導入と在宅におけるリハビリの継続,同時に利用者およびその家族の生活支援に力を入れたためである。
北九州市の中心地に位置する当小文字訪問看護ステーションにおいてもその理念は継承されており,現在看護師8名(常勤5名,非常勤3名)に対し,リハビリスタッフは8名(作業療法士7名,理学療法士1名)を抱え,恵まれた環境にあるといえる。
現在登録利用者数は200名を数え,そのうち100名以上の方が訪問リハビリテーションを利用されている。介護保険での利用者が7割を占めるが,残りの3割は難病等の若年障害者となっている。介護保険利用者の疾患内訳は脳血管障害が最も多く,その他,心疾患,呼吸器疾患,骨折後などで,若年障害者についてはALS,筋ジストロフィー,多発性硬化症,脳性麻痺など,かなり広範囲な領域となっている。訪問リハビリテーションの内容もまた多岐にわたっており,大きく4つに分けられる。
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.