特別連載 老人に対する看護技術研究
5.ターミナル状態者の在宅療養における訪問看護の実態と課題―(その2)在宅療養支援における看護報酬に関する分析
数間 恵子
1
,
川村 佐和子
1
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
pp.726-733
発行日 1996年10月10日
Published Date 1996/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900406
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緒言
筆者らの一連の研究の「(その1)提供看護技術・時間と,医師との連携に関する分析」1)では,3つの形態の訪問看護,すなわち,(A)医療過疎地の公的訪問看護,(B)大都市とその周辺を営業テリトリーとする開業訪問看護,および(C)保健所保健婦によって提供されている看護の実態について調べた.その結果,いずれの看護提供形態においても,療養者(患者)の在宅でのターミナル期を支える上で,療養者のニード(必要)に応じてさまざまな看護行為が駆使されていることがわかった.
しかし,それらの看護行為は,現行医療保険制度によって報酬が認められているものばかりではない.特に,在宅ターミナル期支援において,面接対象者から「一番困った」こととして指摘された「主治医を決めてもらうこと」や,「一番大変だった」と指摘された通院介助,薬の受け取り,および開業訪問看護施設の看護職が頻繁に行なっていた主治医との面談や電話連絡に関して,円滑な実施のための条件を検討する必要があることが認められた.
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