特別連載 老人に対する看護技術研究
3.ターミナル状態者の在宅療養における訪問看護の実態と課題―(その1)提供看護技術・時間と,医師との連携に関する分析
数間 恵子
1
,
川村 佐和子
1
1東京医科歯科大学医学部保健衛生学科
pp.556-563
発行日 1996年8月10日
Published Date 1996/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900523
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緒言
高齢化社会では,在宅ケアが中心的な施策となる.欧米諸国では,静脈注射(中心静脈栄養などを含む)・人工呼吸器・人工透析などの医療依存度が高い状態やターミナル状態に対しても,在宅看護サービスのシステムを有し,主体的にケアを提供している.これを支えて看護・診療分野において多くの研究成果があるが,これは社会制度が異なるわが国に直接活用することはできない.
国内においては,寝たきり状態や日常生活動作に障害がある高齢者に対する研究は多数ある.しかし,昨年度の研究1)から明らかになったように,医療依存度の高い患者やターミナル状態者は増加傾向にあるものの,これに対応できる在宅看護提供に関する研究は少なく,その整備の必要性が強調されている.
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