特集 看護診断導入により変わったこと
看護記録から見た看護診断の問題点と対策
黒田 裕子
1
1日本赤十字看護大学
pp.394-401
発行日 1996年6月10日
Published Date 1996/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900499
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はじめに
筆者は,最近ある調査研究の一環として,看護診断が導入されているいくつかの施設の看護記録を数多く見る機会を得た.予想を上回って,看護記録の患者の健康問題に相当する部分には,北米看護診断協会(以下,NANDA)の診断ラベルやカルペニートの説く共同問題が着実に用いられていた.さらに,アセスメント・プロセスが豊富に,しかも高い質で書かれている記録にも出くわした.
一方,「明らかにこれはおかしい……」と推測できる記録も見られた.これらの多くは診断ラベルを導き出すに至る根拠に相当するアセスメント部分の欠如や不足,そして診断ラベル自体の表現の間違いやその妥当性が問われるようなものであった.
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