特集 婦長・主任のための看護過程と看護診断
看護記録の提案
黒田 裕子
1
1日本赤十字看護大学
pp.678-684
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686901976
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看護診断の導入による記録革命は看護者を変えた
看護診断は,「看護的な視点で患者の健康問題を考える」という看護者としてのアイデンティティを確立するうえで,さらに看護実践の知識体系を整備していくうえで革命を起こした.さらに言及すれば,記録革命をも起こしたといって過言ではないだろう.それは看護診断の導入が看護者の意識を変え,記録もそれにしたがって変えざるを得なかったからである.とはいえ,看護者の意識を変えることは大変なことであるので,記録を先に変えてしまった施設がある.記録を変えることのほうが容易であるし,時間のロスも少なく合理的であるからである.看護の現場で,看護者にとって欠かすことのできない記録は大きな威力をもつ.したがって,この記録を変えるということは,看護者の意識に最も手ごたえのある革命を引き起こすことになった.
ある施設では,看護部の方針で,ある日突如として看護診断を導入するといわれ,一斉に記録を書くためのガイドラインが看護単位ごとに配布され,それを頼りにしながら日々の記録に取り組む,という事態が起こった.
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