連載 ラーニング・エイド 大学院ドタバタ留学記 in NY・24
目指せ看護師,学びを支えるひとに
寺本 美欧
1
1圏央所沢病院看護部
pp.811
発行日 2021年9月10日
Published Date 2021/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201959
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留学生活を振り返る上で,欠かせない人がいる。一般的にアメリカの大学院では「アカデミック・アドバイザー」と呼ばれる,在学中の履修登録や学業全般の相談に乗ってくれる人がいる。私のプログラムでは贅沢にも,学生1人につき教授が1人割り当てられ,卒業プロジェクトの指導教官も併せて引き受けてくれる。私のアドバイザーは,学科長であるビクトリア・マーシック先生に決まった。
実は,マーシック先生に初めて会ったのは,大学院に合格する1年以上前である。当時,看護師として臨床現場で働きながら出願を準備していたとき,留学カウンセラーから「ニューヨークに行って大学院を直接確かめてきなさい」と言われた。無謀すぎる提案に面食らいながらも,なんとか日本人の卒業生にコンタクトをとることができ,つなげてもらったのがマーシック先生だった。そして奇跡に奇跡が重なり,はるばる日本から訪ねてくる私を歓迎し面談の時間を設けてくれたのだ。1週間の休暇で,3泊5日の弾丸旅。緊張に飲み込まれそうな私を,先生は研究室で温かく迎え入れてくれた。「私は看護師が学び続けられる環境を日本でつくりたいんです!」と思いの丈をぶつけたところ,「ここにはあなたが学びたいものがそろっていると思う」と言ってもらい,帰国した私は単願受験に切り替えるほど,マーシック先生の虜になった。その出会いから1年後,偶然だったのかは分からないが,憧れの教授が自分のアドバイザーに決まった。
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