連載 脳に不具合をかかえた患者への看護 「支援困難」「個別性が高い」という思い込みからの脱却・2
「痛いところに触らない」ケアとは
鈴木 大介
pp.812-816
発行日 2021年9月10日
Published Date 2021/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201960
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前回は,脳の情報処理機能の低下を一次障害,そこに環境要因を受けて起きるお困りごとを二次障害と捉え直してほしいという提言をした。複雑な環境要因によって極めて個別性が高い二次障害を見て,「難しい」「全てには対応できない」のように思考放棄してしまうのではなく,一次障害のほうに注目することで,当事者の苦しみをシンプルに捉え直し,その上で二次障害化を防ぐ,つまり「痛いところに触らない」ケアをしてほしいと締めくくった。
ということで,今回はまずこの「痛いところに触られる」というのが当事者にとってどんな感覚のことなのか,といったところから,お伝えさせていただきたい。
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