書評
ナラティブホームの物語—終末期医療をささえる地域包括ケアのしかけ
小谷 洋子
1
1カーサプラチナ三ツ境
pp.510
発行日 2015年6月10日
Published Date 2015/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200207
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施設にとどまらない,高齢者看護の実践バイブル
高齢者の最後の時に関わる悩み
2025年に多死時代のピークを控え,時代の転換期である昨今,国は“在宅で最後の時を”と人々に意識の変革を促している。場所ではなくケアそのものの質が問われる時代になった。病院であれ在宅であれ,高齢者の最後の時に関わる私たちは,「これでよかったのか?」「これがベストの看護だったのか?」と悩むことは少なくない。
ものがたり診療所(富山県砺波市)の医師である著者は,その敷地に隣接してナラティブホームを開設した。そこで「その人が人生の最後の時を悔いなく生き抜いてくれることを援助する医療」を実践し,得てして虚しさが多い終末期医療において,看護と介護のスタッフが共に達成感のある仕事ができるハードとソフトを作り上げた。
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