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ナラティブホームの物語—終末期医療をささえる地域包括ケアのしかけ
桑原 紀子
1
1介護のプロ道場
pp.515
発行日 2015年6月25日
Published Date 2015/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665200229
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人生最期の「さようなら」に寄り添うために
看護職として人とかかわりをもつ時,私たちは対象者について,どのように考え,感じ,行動をとっているのでしょう。病名や症状だけでなく,家族構成や関係,どのような生活を送ってきたのか,大切にしていることは何か,どんな役割があるかなど,対象者の全体像を捉えることに努めながら,対話を続け,ケアに活かしていきます。そして,何気ない対話から,さまざまな生活史が語られることや,その語りによって,対象者自身や関係性の変化をしばしば体験します。
特に終末期には,生活場面として非日常である病院で,その人らしく人生を終えるための支援として,語りや対話を欠かすことはできません。しかし,多大な業務を担うなかで思うようにその時間がとれないジレンマに陥ったり,看送りの後,これでよかったのかと,自責の念にかられることもあります。
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