連載 回り道ナース・7
上だ下だと言いますが。
松本 圭古
pp.983
発行日 2014年10月10日
Published Date 2014/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686200020
- 有料閲覧
- 文献概要
最近,年上の新人をプリセプターとして指導することになった3年目の看護師が「やはり年上だと指導しづらい」と言っていた。私も30歳を過ぎて看護師になり,2歳年下のプリセプターに指導を受けたのだが,私のプリセプターも同じように考えていたのかもしれない。
当時はほとんどが高校卒業からストレートで看護学校に入学し,ほぼ同じ年齢の学生同士で学び,看護師になるのが当たり前であり,私のような事例はまだレアケースだった。何度かプリセプターを経験していたとはいえ,彼女も初めての年上のプリセプティをどう扱ってよいか測りかねている様子であり,「やっぱり後輩とはいっても年上だから……」という遠慮も感じられた。私が何か失敗するたびに言いにくそうに,恐れ入りながら,注意というよりむしろお伺いを立てるように話をする彼女の姿に私は毎回ずいぶん申し訳なさを感じていて,結局最後までお互いにきちんと関わり合うこともできないまま私は彼女の手を離れてしまった。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.