特別記事 看護管理者のためのメンタルヘルス演出術①
メンタルヘルス支援に「演出」の視点を
武藤 清栄
1
1東京メンタルヘルス
pp.948-952
発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102915
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シリーズのはじめに
職場では,上司も部下も事業主との労働契約にもとづいて働くことが期待されている。働くためには脳や身体を活発に動かす必要があるが,そのためには活動し続けるだけでなく,休養やケア,サポート等も必要である。
いつもより反応が鈍い,表情が乏しいなど,部下の様子が普段と違うのは,脳や身体が疲れていたり,不調のサインだったりする。そういうときは,「上司のサポート」や「セルフケア」が必要になる。
ここで提案したいのが,看護管理者によるサポートに「演出」という考え方を取り入れることである。「演出」とは,演劇や映画,テレビなどで,脚本にもとづいてリアリティや芸術性を高めるために,役者やスタッフにその演技や舞台装置,音楽や音響効果,衣装などを指導し,統括することである。
それを看護管理者の立場に置き換えれば,スタッフ(役者)が自分の個性や能力をフルに発揮し,やりがいをもって働けるよう快適な職場環境を整え,目標とする仕事や人間関係を達成できるように援助することである。
ここでは全3回にわたり,演出という枠組みで,看護におけるメンタルヘルス・マネジメントを追っていく。
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