連載 職場のメンタルヘルス・11
医療過誤とメンタルヘルス
武藤 清栄
1
,
村上 章子
1
1東京メンタルヘルス・アカデミー
pp.164-168
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101124
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病院経営の模索と医療事故
今日本の医療は,かなり揺れている.1つ目の理由は診療報酬の改定を巡って,それぞれの団体が対立しているからである.診療報酬は2年に1回改定されるが,国としては,できる限り医療費の抑制を図りたい考えである.診療報酬は,まず厚生労働省(厚労省)の諮問機関である「中央社会保険医療協議会(中医協)」が意見書としてまとめ,厚労省が財政当局と調整し決定にこぎつけるが,日本医師会や自民党の厚生関係議員でつくる「医療政策研究会」は,診療報酬の引き上げを強く主張している.
それに対し,財務省の諮問機関である「財政制度等審議会」は,引き下げることを訴えている.福田総理を議長とする内閣府に設置されている「経済財政諮問会議」は,メリハリをつけた診療報酬の設定が不可欠とは言うものの,はっきりした回答を出していない.しかし結果的には,診療報酬の本体部分(医師による検査や治療)は0.38%引き上げられ,薬価部分(薬や医療の材料)は,1.2%引き下げられる見通しである.したがって本体部分と薬価部分を総合した診療報酬全体としては0.82%マイナス改定になり,2002年度から4回(2年ごと)連続のマイナス改定になりそうである.
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