連載 しなやかに家族を看護するスタッフに育てよう・4
グループワーク研修②―家族への実践をチームに伝える
山崎 あけみ
1
,
野月 千春
2
1上智大学総合人間科学部看護学科基礎看護学
2東京厚生年金病院看護部
pp.980-983
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102592
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臨床場面
Aさんは,60歳男性,1年数か月前に当院での初診でがんの診断がなされ,胃全摘術を行なった。その後,外来・短期入院で化学療法を行なうも再発し,入院となった。今回の化学療法が奏功しない場合には,予後は数か月と妻にだけ告知された。症状緩和も難しく,毎日面会に来る妻は,日に日に憔悴していた。成人した子どもが2人いるが,面会に来たことがなかった。
入院後1週目,看護師N子は気になり,面会から帰る妻に話しかけた。妻は,体位の変換や,更衣の際,自分は上手に介助できず,夫はとてもイライラしていると言った。「お子さんとは,ご主人のこと,お話しになりますか」と聞くと,「娘は育児,息子は仕事が忙しく,まだはっきりとは話せていない」と訴えた。看護師N子は,妻への看護を計画立案すべき時期と感じた。子どもたちにも真実を説明しないといけないだろう。
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