増刊号特集3 役立ちます!認知行動療法
セルフケアにも患者ケアにも
認知行動療法を取り入れると,積極的な看護に変わります。
岡田 佳詠
1
1筑波大学医学医療系保健医療学域
pp.698-704
発行日 2012年7月20日
Published Date 2012/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686102515
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最近,精神科看護の分野では認知行動療法を看護に取り入れたいという看護師が増えてきています。それは,気分障害,特にうつ病患者が増加し,自殺者もなかなか減らない現状にあること,また,統合失調症患者の退院支援や地域定着が促進されていることなどを背景に,従来のケア技術だけでは不十分だという認識が強くなってきたからだと思います。認知行動療法は,気分障害,不安障害,アルコール依存症などの物質関連障害,統合失調症などの精神疾患はもちろん,がんや糖尿病などの身体疾患患者にも効果があるとされる精神療法で,これまで医師や心理職が主に実施していました。しかし,実は看護の臨床現場にも導入できるもので,むしろ他職種よりも実施しやすい職種だといえます。なぜそういえるのか,そこからまずお話しします。
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