本を読むとき
『認知行動療法、べてる式。』
岡田 佳詠
1
1淑徳大学看護学部
pp.108-109
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100494
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最近、精神科看護師の皆さんと接するなかで、じんわりと、しかし確かに感じとれることがあります。それは多くの精神科看護師が、何かこれまでとは違うケア、別の視点からのケアを探し求めているということです。これは、私が集団認知行動療法に関する研修などに携わるなかで、また、認知行動療法に関心を寄せる看護の方たちとお話をするなかで実感することです。
これまで精神科の看護師は、患者-看護師関係のプロセスを大切にしながら、患者のセルフケアを含む社会生活の改善に向けて援助を行なってきた点で、非常に大きな貢献をしてきたと思います。しかし、これは私自身思い当たることですが、気がつかないうちに、患者の考えをあまり聴こうとせず、看護師のほうが主導権を握ってケアを進めてしまうことはないでしょうか。そうなるとレパートリーの少ない精神科看護のケア技術を前に、「どうしたら患者はよくなるのだろう……」と悶々と考え込んでしまうことになります。
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