増刊号特集III 看護をどう評価するか
品質マネジメントシステムの国際規格,ISO9001は何を評価するか
中原 登世子
1
1社団法人日本能率協会審査登録センター(JMAQA)
pp.756-761
発行日 2010年7月26日
Published Date 2010/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101815
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ISOとは
“ISO”とは,国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称で,ジュネーブを本部とする組織である。日本では「アイエスオー」「アイソ」「イソ」などと呼ばれ,策定された規格を指すこともある。ISO 9001は,「品質マネジメントシステム‐要求事項(Requirements-Quality Management System)」という規格であり,2008年版が最新版である。もともとは製造業向きの規格として1987年に策定されたものであるが,2000年の改訂により,サービス業を含むあらゆる業種により適用しやすくなった。
医療にあてはめると,「医療の質マネジメントシステム」と読み替えることができる。医療におけるISO 9001の目的は,医療の質の保証,患者・家族の満足の向上,マネジメントシステムの有効性,すなわち,結果(アウトカム)の継続的改善の3つである。ISO 9001は,この3つの目的を達成するために,医療提供体制(ストラクチャー)を整備して必要な資源を提供し,プロセスを運営管理するための「マネジメントシステム」に対する要求事項を示すものである。
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