増刊号特集III 看護をどう評価するか
病院機能評価プラットホーム論
橋本 廸生
1,2
1横浜市立大学附属病院医療安全管理学
2日本医療機能評価機構
pp.754
発行日 2010年7月26日
Published Date 2010/7/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101814
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わが国の病院にマネジメントが一般的になったのは,個別の病院の活動は別として,そう古いことではない。1997(平成9)年日本医療機能評価機構が病院機能評価事業を開始したことがその始まりだろう。評価事業の骨格要素である評価基準が「病院活動の教科書」と見なされ,病院幹部にとって「共通言語」となったからである。この明示的な目標はそれまで抽象的で散漫だった院内の活動目標を評価基準にベクトルを合わせる効果をもたらした。病院の機能全般にわたる標準化が,教条的に基準適合のみを追求するという副作用を伴いながらも,始まった。
さらに,もう1つの骨格要素であるサーベイヤー(以下,SVR)に付随する効果も指摘できる。SVRの多くは,1人ひとりが病院の幹部である。審査活動では,彼らが評価基準にもとづいて他の病院機能を観察し,他のSVRと議論を重ねる。このプロセスがSVR自身の力をつけ,それが自院の改善にフィードバックしないはずがない。これをSVR効果と呼ぶ。
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