特集 看護業務拡大による可能性を探る―現場のニーズと教育システムの構築
外来における看護の可能性に向けたナースプラクティショナー養成
関 弘子
1
1国際医療福祉大学看護生涯学習センター
pp.27-32
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101393
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NPだからできること
2007(平成19)年の規制改革会議による「規制改革推進のための第2次答申」では,医師が行なうとされている医療行為のうち看護師が実施できるものについては,海外のナースプラクティショナー(以下,NP)を参考に,積極的な役割分担を進める方針が出された。
米国などでは,NPが薬の処方や検査の指示を出す権限をもち,慢性疾患患者の健康管理を行なうことで医療費削減や再入院率低下などの効果があると報告されている1-6)。その理由として,NPは,十分な時間をかけて患者とコミュニケーションをとり,信頼関係を築いているため,NPの受け持ち患者は医師の診療を受ける患者よりも確実に受診する割合が高いこと,服薬方法・薬品の作用に関する説明,健康教育,ヘルスプロモーションに対する行動について,医師よりも長く時間をかけ効果的な説明を行なっていることがコンプライアスのよさにつながっていると考えられている1,4,8)。さらにNPの薬剤処方に関する長所として,NPは患者の症状を生活全体からアセスメントし,薬剤の継続や選択に関して適切な処方を行なうことができることが報告されている3,7,8)。
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