特集 緩和ケアに求められる役割と質保証
これからの“がん情報”の行方を探る―緩和ケアのあゆみを振り返りながら
平林 由香
1
1国立がんセンターがん対策情報センターがん情報・統計部
pp.543-547
発行日 2008年7月10日
Published Date 2008/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686101238
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はじめに
わが国の死亡の第1位を占める悪性新生物(がん)の死亡数は年々増加の一途をたどっている。また,がん罹患数も死亡数とともに増加し続けている1)。
2005(平成17)年にがんで死亡した人は32万5941例(男性19万6603人,女性12万9338人)であり,2001年に新たに診断されたがん(罹患全国推計値)は56万8781例(男性32万5213例,女性24万3568例)2)である。
これらがんの死亡数と罹患数の増加の主な要因は人口の高齢化であるといわれている。人口の高齢化の影響を除いた年齢調整率でみた場合で,全がんの死亡は,男性で1980年代後半まで増加し,1990年代後半から減少し,女性では,1960年代後半から減少している。罹患についても,男性で1980年代後半まで増加し,1990年代後半から横ばいであり,女性でも1980年代後半まで増加し,1990年代後半から横ばいの状態が続いている。
がんの粗死亡率,粗罹患率はともに増加していることからも,国家的ながん対策を推し進めていく必要性がある。
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