緑内障—私の夢
緑内障ロービジョンケアの行方
川瀬 和秀
pp.170
発行日 2002年9月10日
Published Date 2002/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907899
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緑内障外来は眼圧の急な変化などが起こらなければ平和な外来である。視野の検査結果を見て,眼圧を測定し,視神経を観察しても大した変化がないのが普通だ。しかし,なかには視野障害が末期で徐々に視力低下が進んでいる症例もあり,見えにくいとの訴えはさほど珍しくない。そんなとき,どんな答えが妥当だろうか? 緑内障は視野障害を治すことはできないので仕方ない? 点眼薬を追加して眼圧を下げましょうか?
ときには,何を見るときに,どう見えにくいのかを聞いてあげるのがいいのではないかと思う。“眩しくて見えにくい”,“新聞の字を読むと疲れる”という場合もある。積極的に行動する患者さんは,“バスの行き先が見えない”,“足元が見えないので危ない”という訴えもある。このような患者さんには,ロービジョンケアが少しは助けになる。羞明には,遮光眼鏡と帽子の組み合わせ,近見には少し強めの近用眼鏡や拡大ルーペ,遠方視には単眼鏡,歩行の補助には歩行指導やステッキの使用。簡単なロービジョンケアも,「何で今まで教えてくれなかったの?」と責められることがある。
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