連載 ニュースウォーク・61
医療「明治以来」の行方
白井 正夫
1
1元朝日新聞編集委員
pp.380-381
発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662100069
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国立国語研究所が昨年12月,よく使われる外来語63語について,わかりやすい言い換えを提案した。公共性の強い場で使われながらわかりにくいカタカナ用語の言い換え案をまとめて中間報告として発表し,国民の意見を求めた。その一覧表に医療・保健に関する言葉がいくつかあり,「インフォームド・コンセント」は「納得医療」と言い換えている。
インフォームド・コンセントは米国の医療事故をめぐる裁判で法的概念として生まれた。患者の権利に対する医師の義務を基本にして,1960年代には定着した。この言葉を日本医師会の生命倫理懇談会が「説明と同意」と訳して紹介し,日本で浸透し始めたのはようやく90年代である。
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