連載 組織マネジメントツール バランスト・スコアカードの基本のキ[5]
BSC誕生までの経営管理の系譜
熊川 寿郎
1
1東京都老人医療センター免疫輸血科
pp.420-425
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100737
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はじめに
経営管理とは,組織の経営方針に基づいて,組織活動を方向づけ,組織を運営するために導入しているさまざまな管理の仕組みです。これには予算管理,原価企画,目標管理(MBO;Management by Objective and Self-control),方針管理,活動基準原価管理(ABM;Activity-based Management),TQM(Total Quality Management)などたくさんの手法があります。バランスト・スコアカード(BSC)は,新しく開発された経営管理手法の1つですが,単独で誕生したわけではありません。BSCは,これまでのいろいろな経営管理や経営革新の手法を巧みに取り込んで誕生したものであり,今も進化し続けています。
最近では,一般産業界の経営管理手法が,医療界にも積極的に導入されるようになりました。特に,病院の看護部門は,いろいろな経営管理手法を積極的に導入しています。このことは365日24時間,チームを組んでケアサービスを提供し続ける業務の特徴を考えると,当然のことだと思われます。しかしながら,目的を明確化しないまま経営管理手法を導入し,労力をかけた割には成果が得られず,反対に現場に大きな混乱をもたらすことも少なくありません。
今回は,BSCが誕生するまでの経営管理の系譜を辿り,代表的な経営管理手法が誕生した背景とその特徴について整理します(図1)。
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