連載 自律してケアを提供できるセルフマネージングチーム[2]
新しいマネージメント方式を可能にする組織のあり方を探る
福井 トシ子
1
1杏林大学医学部付属病院看護部
pp.426-431
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100738
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縦型のマネージメントの限界を感じて
ケアの受け手を中心に据えた最良のケアを提供するためには,たった今,目の前で起きている問題に対して,それに関わる看護職1人ひとりが「最良のケアとは何か」を自分で判断しながら解決していくことが求められる。それを可能にするためには,暗黙知(臨床知)を形式知に変換して蓄積するという知識創造のサイクルが不可欠となる。
ところが,従来の縦型のマネージメント方式では,判断を逐一上司や指導者に仰ぐため,意思決定が遅れ,タイムリーな介入はできない。そればかりか,看護職の判断とその判断に基づいた行為の結果について,看護職自身が評価を積み重ねることができないため,臨床知を形式知に変えることすら困難である。
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