連載 やじうま宮子の看護管理な日々――看護師長でいこう!・7
生活保護をめぐる,倫理的判断
宮子 あずさ
1
1東京厚生年金病院
pp.858-859
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100384
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「生活保護」をめぐって
先日新聞で,ある町でガス,電気水道を止められた無職の男性が団地でミイラ化して発見されたという記事を読みました。記事によれば,その方は妻とは離婚し独居でしたが,お子さんとの交流は多少あったとのこと。その事実をもって,生活保護の申請も却下された経過があったようです。記事からは,そうした「お役所的な」行政の判断への批判がにじみ出ているように感じました。
これを読んで思ったのは,こうした厳しい行政の判断によって亡くなる男性がいる陰で,無駄に使われずにすんだお金もあるのではないかということです。これを申し上げるのはたいへん複雑なのですが……。これまで病院で関わってきた患者さんの中に,「この人がなぜ生活保護を受けられるのだろう」と思う例が,数多くあったからです。
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