連載 周産期の生命倫理をめぐる旅 あたたかい心を求めて・17
生殖医療をめぐる倫理的問題(Ⅳ)
仁志田 博司
1
1東京女子医科大学
pp.454-457
発行日 2014年5月25日
Published Date 2014/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665102810
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ARTをめぐる倫理的問題(総論)
ARTの倫理的問題は表4のごとく大きく分けることができよう。
そのなかで(1)に関しては,この連載の第9~10回「胎児の成育限界をめぐる生命倫理(Ⅰ)(Ⅱ)」(2013年9~10月号参照)のなかで,特に「胎児はいつから人とみなされるか」の項で触れている。さらにその議論は受精卵にまで広がり,「胎児には認められている遺産相続権が受精卵にはあるのか」ということが,第三者の卵子や精子を用いたARTの事例で問題とされている。また,IVF-ET目的でつくられて未使用となった胚の取り扱いに関しては研究に使用できるかや廃棄処分の方法など,学会からの会告の形で提示されているが,臨床の現場で問題となることは少なくない。
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