特集 「手厚い看護」をどう実践するか―7対1入院基本料新設を機に
看護がチーム力を発揮して地域に根ざした病院づくりをめざす―篠ノ井総合病院の取り組み
清水 久美子
1
1篠ノ井総合病院
pp.596-602
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100329
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はじめに
篠ノ井総合病院(以下,当院)は,本年4月の診療報酬改定で7対1入院基本料を申請し,取得しました。取得にあたっては,あらかじめ人員確保計画を立てて増員を図り,取得にこぎつけたというわけではありません。
当院は開院以来,地域に根ざした「患者本位のベッドサイド看護」をめざしてきました。他職種を巻き込みながらさまざまな業務改善を行ない,患者の重症度による看護方式(PPC)を取り入れています。例えばICU,HCU,救急部の設置により,夜勤時間帯一般病棟への入院をなくしたり,また緊急入院検査の多い循環器病棟にもHCUを3床開設するなど,必要なところに必要な人員を,という考えで「患者本位」の理念のもとで看護部を運営してきました。
急性期病院において患者本位の看護を実施するためには,いうまでもなく人員が必要です。平均在院日数が15日を下回り,病床稼働率が95%を超えている現状では,人手がなければ充実した看護は行なえません。看護師の勤務体制,移動時期,卒後教育や研修の充実,職場環境など,これらすべてが人材確保計画につながると考え,その整備を心がけてきました。
今回の改定では,いままで当院が「患者本位」の看護を行なうために,当院の先達が「究極のチーム医療」を求めて進めてきた業務改善,卒後教育,看護師を大切にする職場の文化が認められたことになり,うれしく思っています。
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