特集 病院に働く保健婦の活動—見直される機能と役割
活動の実態
地域に根ざした医療にむけて—佐久総合病院
横山 孝子
1
1佐久総合病院
pp.130-138
発行日 1977年3月10日
Published Date 1977/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205815
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I.佐久総合病院における地域予防活動
農村の健康犠牲・健康破壊と取り組む
農村には昔から高血圧や脳卒中などの成人病も多く,農業や生活に追われて健康を省みることは少なく,身体を犠牲にすることをいとわない考え方が根強く残っています。そして,健康診断のチャンスにも恵まれぬまま,慢性的な病気や異常が潜在し,やがてひどい手おくれになってから,遠い街の医療機関を訪れることになります。
農協の厚生連は,このように医療に恵まれない,辺鄙な地域にこそよい医療を,ということで農村部に病院を造り,農民の生命と暮らしを守る役割を果たしていますが,私共の佐久総合病院も,その目的で長野県の南佐久郡臼田町という,人口10,000人ほどの小さな町に,昭和19年に建てられました。
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