特集 新人職員研修で人はどう育っているか
新人助産師の臨床実践能力はどのように育まれるか―長野県厚生連篠ノ井総合病院の場合
高見澤 しま子
1
,
清水 久美子
2
,
近藤 鈴枝
1
,
清水 千絵
3
1長野県厚生連篠ノ井総合病院産婦人科病棟
2長野県厚生連篠ノ井総合病院看護部
3長野県厚生連篠ノ井総合病院
pp.119-127
発行日 2007年2月25日
Published Date 2007/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663100610
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
チャンスとして捉えたモデル事業
新人助産師研修の概要
看護基礎教育は,医療の高度化に伴って,学ばなければならない知識が増加する一方で,医療安全管理体制の強化や患者および家族の意識の変化等により,看護技術の訓練の範囲や機会が限定される傾向にあります。にもかかわらず,新人助産師(1年未満の助産師をいう)は,卒業したてであっても,すぐ現場に配属され,否応なしに切迫した時間のなかで,多重課題への対応,業務中断など,学生とは異なる体験の連続に直面します。
さらに,産科医の減少により,日本全国で出産できる病院・診療所が急減していることが明らかになり,それに伴って助産師への期待がますます高まっています。そんななか,2005年に厚生労働省より,「助産師は,助産業務を通して安心,安全な出産のために重要な役割を担っており助産師の臨床実践能力向上は,周産期領域の医療安全に欠くことができないものである」として,新人助産師に対し,十分な指導体制と研修プログラムにもとづく研修(以下,新人研修)を実施し,助産師の質の向上および医療安全の確保を目的とした事業(新人助産師に対し,十分な指導体制および研修プログラムを有する医療機関において実施される新人研修に係る費用の一部を補助する)が提案されました。
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.