特集 保健医療制度の再編と保健婦活動の課題
第19回自治体に働く保健婦のつどい集録
分科会
地域に根ざした成人病の取り組み
矢島 嶺
1
1武石村診療所
pp.577-592
発行日 1987年7月10日
Published Date 1987/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207350
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あなたの自治体は住民の砦か
司会 実は,昨年もこの分科会で,「地域に根ざした成人病の取り組み」を学習しました。「地域に根ざした」という言葉の解釈は,言い換えれば,そこに住んでいる人々の生活実態に依拠したという意味である,ということを昨年確認しております。「地域に根ざした成人病の取り組み」というのは,そこに住んでいる人々の実態に依拠したという意味で御理解いただきたいというのが,皆様と,我々,先生も含めての共有事項です。それをまず確認し合いたいと思います。
次に,この分科会ではいくつかの実践例が出されますが,学習する課題として,四つを挙げさせていただきました。一つは,成人病というのは人々の暮らしの歴史の中から自然に生活のシワとして出てくるものだということ。2番目には,成人病対策の砦は,○○病院とか○○診療所とかではなくて,実は自治体なんだ,ということ。この二つには昨年この分科会でお互いが「うん,なるほど」と思った事項です。3番目は,成人病対策は,保健婦だけとか,立派なお医者さんが1人いればとかではなしに,専門家の援助はもちろん,自治体それから関連職種そして大事な住民組織との連携で取り組まれること,これが非常に有効な方法であるということ。
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