新連載 Clinical Governance 病院経営における看護のポジショニング・1
クリニカル・ガバナンスの概念と歴史
瀬戸 僚馬
1,2
1杏林大学医学部付属病院看護部情報システム
2国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野
pp.416-420
発行日 2005年5月10日
Published Date 2005/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100171
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連載をはじめるにあたって
筆者は,大学院で医療経営管理を学びながら,特定機能病院の情報システム構築や運用・管理を担当している。こうした業務に携わるなかで,そこに病院の運営方針を決定するプロセスや,その方針を浸透させる方法,あるいは部門間の関係性などが見え隠れしていることを実感していた。これは,産業界でも同じであり,企業が競争優位性を構築するには,IT戦略の策定・実行をコントロールし,あるべき方向へ導いていくことが求められている。このITにおける組織能力のことを,「ITガバナンス」という1)。
しかし,ITはあくまで手段であって,企業経営そのものが,あるべき姿へと導かれていることがITガバナンスを確立する前提である。その仕組みが「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」である。
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