特集 すべては地域医療に
総論
地域医療とガバナンス
富塚 太郎
1
1ハーバード公衆衛生大学院
キーワード:
ガバナンス
,
政府
,
信頼
,
代理人
,
ネットワーク
Keyword:
ガバナンス
,
政府
,
信頼
,
代理人
,
ネットワーク
pp.455-458
発行日 2011年6月15日
Published Date 2011/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102198
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「この地域の医療はどうなっているんだ.責任者,出て来い!」と地域住民がどなったところで,さて誰が首を差し出すのだろうか.「それもこれも医療制度がおかしいからダメなんだ」といったところで,はたしてその医療制度は誰によって,どのように運用されているのだろうか.地域における医療連携や,医療・福祉・保健の協力などの重要性が叫ばれて久しいが,同時にその不備が指摘される状況は継続している.この状況下において,地域医療の理解のカギのひとつは「ガバナンス(J1)」にあると筆者は考える.「ガバナンス」という語の一般的な定義は難しいが,「地域医療におけるガバナンス」は,「地域住民ができる限り健康な生活が送れる状況になるように,地域の関係者が協力・協同する方法・枠組み」といえる.本稿では「ガバナンス」という視点から地域医療の理論的解説を試みたい.
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