特集 看護現場のストレスマネジメント考
職場環境の活性化をめざして
リエゾンナースによる看護師へのメンタルヘルスケアの現状
古城門 靖子
1
1神戸大学医学部附属病院リエゾン精神専門看護部
pp.350-355
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100067
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はじめに
筆者が現在勤務している神戸大学医学部附属病院(以下,当院)は,特定機能病院としての役割を担う,病床数920床,総職員数1503名,うち看護職員数579名(2006年4月1日現在)の国立大学法人の病院である。そこで4年前から筆者は精神看護領域の専門看護師(以下,リエゾンナース)として当院で実践活動を行なっている。
活動を開始した4年前は,医療を取り巻く環境がすさまじい勢いで変化していた時期でもあった。看護師たちは,もはやこれまでのやり方ではやっていけなくなってきていることに直面せざるを得ない状況だった。戸惑い,焦りが広がるなか,多くの看護師が「やりがい」を見失い,退職を希望した。その一方病棟では,新人看護師を多く迎えなければいけなくなった。そのようななかでも,「患者中心の医療」の実践を行なわなければならないのが病院である。その理念は,医療職間の良好な関係性の上に立ってこそ実現可能なものである。リエゾンナースの「リエゾン」とは「つながり」を意味するが,筆者は医療職間の「つながり」を育て,その関係性を構築・維持するための実践を行なってきた。
本稿では,そのなかのひとつである,筆者が看護師へ行なってきたメンタルヘルスケア(図),特に新人看護師を対象としたものを例に,現場の看護師が必要とする支援体制について考えてみたいと思う。
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