特集 看護現場のストレスマネジメント考
職場環境の活性化をめざして
「一人ひとりがいきいきと働けるチームづくり」をめざして―看護管理者のためのストレスマネジメント研修会を通して
近澤 範子
1
1兵庫県立大学看護学部
pp.356-358
発行日 2006年5月10日
Published Date 2006/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100068
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個人的な体験から
「一人ひとりのスタッフがいきいきと働ける看護チームとは?」看護職に就いて以来,問い続けてきた関心事である。私の場合,“初心者”から“一人前”までの間に,配置転換により3つの病棟を体験した。なかでも2年半所属したチームでは,多くの優れた先輩ナースたちとの仕事を通して看護の本質を学び,成長とやりがいを実感していただけに,個人の意思や希望を無視して配置転換する看護管理者への失望が大きく,また異動先でもチームに馴染めず,ストレスフルであった。このような個人的体験から,看護管理者やチームのあり方と個人の受け止め方が,仕事のやりがいやストレス,患者ケアの質に大きく影響することを痛感した。
その後,教育経験を経て大学院修士課程で精神看護学を専攻し,修士論文の研究でこのテーマに取り組んだ。1980年代半ば,看護師のストレスに関する国内の研究は緒に就いたばかりで,Burnout syndromeという概念が「燃えつき症候群」と翻訳・紹介されて間もない頃であった。文献検討の結果,1960年代半ば以降の米国では,看護師のストレスに関する研究が盛んに行なわれており,ストレス-コーピング理論やBurnout syndromeの視点からの知見をも含めて,研究成果が蓄積され,燃えつきの予防対策や,“ナースのためのナース”の必要性について論じられるまでになっていることに瞠目した。
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