連載 看護部長のバーチャルコーポレーションで患者の安全を守る――赤十字医療施設看護部長会の取り組み・最終回
院内感染対策とその改善に向けて―中部ブロック赤十字医療施設の取り組み
松井 三重子
1,2
,
前田 久美子
3
1富山赤十字病院看護部
2赤十字医療施設中部ブロック看護部長会
3前大森赤十字病院看護部
pp.322-329
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100064
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はじめに
医療の質の保証と安全性の確保において,院内感染対策は重要な課題である。エビデンスに基づいた有効な感染対策であるか,無駄な感染対策はないかを見直し,組織的に有効な対策を立てた取り組みが必要である。しかし,いざ改善となるとコストの問題や長期間の習慣,医師の方針など多くの壁に突き当たる。組織を動かしていくためには,看護部長がいかにリーダーシップを発揮するかが課題である。
赤十字医療施設中部ブロック看護部長会では,院内感染対策についての講演会を実施し基礎知識を深め,看護部長会として取り組む視点を一致させた。そして赤十字医療施設中部ブロック(以下,中部ブロック)20施設の院内感染対策に関する実態調査を手がかりとして,エビデンスがなく慣習的に行なわれている無駄な対策で改善を必要とする項目について整理し,各施設で改善に取り組み,適切な感染対策を通して患者の安全を守る組織づくりのための方策を考察した。
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